「全国制覇を目指して」   札幌市立厚別北中学校 高橋 和也

 「よし、全国を見に行こう。」 −今から5年前、厚別北中で2年連続全道出場しながら全国の出場権を続けて逃したとき、選手の泣き崩れる姿を見て思い立ちました。近くて遠い全国大会の切符を手に入れるために「全国に出たいのなら、身銭を切ってまず見に行くことから始めるぐらいでなければダメだ。」と現ジュニア連盟の幸丸会長がある場で話していたことを思い出したのです。

 当時の私の取り組みはまだまだ甘く、どこかで「全道大会はラッキーな組み合わせになってくれればいいな…。」などと考え、さらに「全国優勝するなど無理なのだから、全国ベスト8を目指そう。」と中途半端なことを子供達にも公言していました。ところが、実際に身銭を切って見に行った北九州全中で、私の価値観が根底から覆される光景を目にしたのです。札幌で何度も対戦して勝ったり負けたりを繰り返していた第二代表の南が丘が、優勝した湯沢北と5点差の試合を展開。さらに、第一代表の江別二中は余裕でベスト8に入り、準々決勝で地元福岡の百道中と大接戦を演じました。これらの試合を目の当たりにして私は衝撃を受け、北海道代表はすでに全国レベルにあり、北海道で勝ちたいのなら全国で勝つことを視野に入れなければダメなのだということを痛感しました。その時から、コーチである私の取り組みが甘ければチームは絶対に勝てるわけがないという結論が導き出され、子供達と私の目標が「全国制覇」に変わったのです。

 以後、厚別北中学校の全国出場は今回で3回目となります。昨夏の暑い帯広大会は、エースである川口裕介くんが大会直前に風邪をひいてダウンするというアクシデントに見舞われました。しかし「相手に絶対弱みを見せない。」という合言葉のもと、子供達だけでなく、保護者の方々も一切エースの体調不良を口外しませんでした。アクシデントのおかげでかえって結束力が強くなったように思います。「川口がいなくても全道で勝てるぐらいの力があれば、全国制覇は夢でないだろう。」とミーティングで話した時、子供達がだまってうなずく目を見てそれを確信しました。

 また、全道大会前はやや不振だったセンター福士佑太くんの話を聞きつけ、北海道選抜で彼がお世話になった旭川東光中の長谷川猛先生が駆けつけてマンツーマン指導してくれたのも大変効果的でした。福士くんの復調振りはもとより、人との関わりやつながりがいかに大切かを他ならないバスケットボールを通して子供達に実感させることができたと思っています。

 残念ながら全国大会では予選リーグは突破したもののベスト16の壁を破れませんでしたが、それでも準優勝の春日部中と4点差、九州1位のコザ中と2点差の試合結果を残すことはできました。しかし、これで満足するのではなく、近いようで遠く、遠いようで近くにある全国優勝に向けて、子供達と共にこれからも努力していきたいと思います。津軽海峡を越えて北海道に中体連優勝旗をもたらせるように。球道無限。